【1月17日(土曜)/5日目】



『予約振り替え、侮れぬPG!』 No.16

 PGのチケット予約を振り替えるため、朝一で旅行代理店へ。到着時に空港でやるのがベターだけど、みんなのスケジュールと調整して帰りの便を決めたかったから、ほっておいたのだ。現在予約が入っているはずの焼丸さんと同じ今日の最終便を調べたら、案の定すでに落ちていた。まあ、元々この予約は変更するつもりだからいいけれど、明日の予約が入らなければまずい。
 自分が来た便は空席が多かったから、てっきり簡単に振り替えられると考えていた。しかし、あとから来たメンバーの話だと、どの便もかなりフルブック状態とのこと。リーちゃんなんて昼の便しか予約が入らず、まつまつさんと朝一からバンコクでスタンバっていたにも関わらず、乗れたのは昼ちかく。まつまつさんは朝一の便を前もって日本で予約していたからそれで来れたけれど、リーちゃんはスタンバイでようやく昼ちかくの便で移動。これが昨日、まつまつさんたちがボプットへ現れるのが遅くなった理由でもある。
 早速、翌日の予約を試みる。第三候補でなんとかOK。リコンファーム番号、受け付け担当者、受け付け時刻などをメモってもらう。これでひとまず大丈夫なはず。が、念のため、あとで空港まで行き、変更確認をして、チケットにステッカーを貼ってもらおう。
 それにしても、私、りん☆、まつまつ、リー、じつにメンバーの半分がリコンファームをしていなかった。基本を無視するWTC軍団も強者だが、バンコクエアウェイズ!、……決して油断してはならぬ相手だ。



『リゾートダイビングは景勝地!』 No.17
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 午前中、ダイビングショップでりん☆さんと待ち合わせ。インストが器材を準備。「ウエイトは?」と尋ねられ、体重を答えるりん☆さんに爆笑っ!
 インスト、りん☆さん、私の三名で、ぼろいジープに乗り、ダイビングポイントへ。かなり激しい揺れ。チャウエン、ラマイ、と通りすぎ、けっこう遠い海岸へ到着。美しい大きな岩々に囲まれた狭く綺麗な砂浜。グランド・ファーザーズ・ロック、……そう、おチンチンの形をした巨大な岩が聳え立つ景勝地でもある。海岸へ続く細い参道には土産屋や露店が軒を連ね、訪れる観光客も多い。みんな岩のうえで思い思いに写真を撮っている。
IMAGE-DATA  器材をセッティングしてブリーフィング。りん☆さんのピンク色の水着がスポーティでカッコいい。彼女は水中撮影用のハウジングキットも準備。さすがりん☆さん、ぬかりはない。器材を背負って浜辺までおりる。長く急な坂で、店のなかまで抜けて歩く。りん☆さん、よたる。
 沖まで少し泳いで潜行。げげ、ほとんど見えない。透明度は2メートルくらいか。インストをぴったりマークしていないと、すぐに見失ってしまう。まるで視界が効かない海域でのトレーニングみたい。さらに沖のほうへ進むと透明度が増して、サンゴや熱帯魚も観られるように。泳ぎながら二人で水中写真を撮り合う。
 ダイビングを終えて浜へあがるとき、岸辺の水の綺麗さに気付く。「ビーチのすぐ側は、こんなに透明度が高いのにねー」 そう、りん☆さんと話す。



『それぞれの旅へ!』 No.18

 ダイビングからの帰り道、りん☆さんをワールドリゾートまで送ってもらい、そのあと私もスマイルハウスまで送ってもらう。すると、宿のレストランで、焼丸、SEA GULL、まつまつ、リーちゃんの四人が食事をしているでは……? うちのレストランがけっこう気に入っているみたい。
 まつまつさんとリーちゃんは、午前中、空港へ行ってスタンバイを申し込んだら、「2時に来て」と言われ、ここへ戻ったそうだ。迷子隊の二人は、朝もうすでにコサムイを発っている。で、せんだ、kiko、SEA GULL、まつまつ、リー、の五名は、今日の夜、バンコクで落ち合う予定らしい。
 午後1時、SEA GULLさんが単独で空港へ向かう。ちゃんとリコンファームして予約も入っているが、かなり混んでいるから早めに行かないと落とされるようだ。
 私はちょっとプールでひと泳ぎ。シャワーを浴び着替えをしてから、再びレストランへ戻る。そろそろ、まつまつさんたちも空港へ向かわなければならない。三つ編みにこだわっていたリーちゃんを探しまわる。これから私はレンタバイクを借りて、りん☆さんを迎えにいく約束。一方、焼丸さんはテンソウでチャウエンへ遊びにいく予定だ。パスポートを預け、レンタバイク(24時間で150バーツ)を借りる。今日の最終便で発つ焼丸さんは、すでにチェックアウトして、りん☆さんの部屋に荷物を置かしてもらっている。
「じゃあ焼丸さん、6時半にりん☆さんと部屋に戻るから、そこで会ってバイクで空港へ送るからね」
「てことで、まつまつさん、明日の夜9時にパッポンの入り口で会いましょう」
 そう打ち合わせて、1時半過ぎ、みんなばらばらに解散する。



『りん☆さんの命って?』 No.19

 バイクを借りるとき、タンクは空。ガソリンを入れて、りん☆さんの部屋へ迎えに行く。室内には焼丸さんの荷物がある。それはいいけれど、外にパンツまで干してあるでは! やるなぁ、焼丸ドン。
 私は自動二輪の免許も持っているが、カブ形式のギヤには慣れていない。
「ちょっとギアチェンジとか、ガクガクして危なっかしいけど勘弁ね。ヘルメットかぶるか、かぶらないかは、自分で決めて。責任持てないからさ」
「……うーん、たかさんに命預けた!」
 命預けた、と言われても、利子は払えないし、責任も持てない。でもまあ、大船に乗ったつもりで大丈夫! っていっても、これは大きな船じゃなく、しょせん小さな原チャリ。それほど大袈裟なものでもないか。



『空港で待つ三人の行方は?』 No.20
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 さてこれから、りん☆さんと二人っきりの観光。デートって感じかな?
 まずは、空港へ。さっき別れたみんなの見送りと、明日の便の予約確認をするためだ。りん☆さんは、さっきいなかったから別れの挨拶もまだ。
 カフェのテーブルでくつろいでいる、SEA GULL、まつまつ、リーちゃんの三人の姿を発見。
「あれ?、SEA GULLさん、もう、ボーディングじゃないの?」
「ディレイだよ。2時間だって……」
 スタンバイのまつまつ&リーちゃんは、ボーディングパスさえ持っていない。まだまだ先の便になるようだ。私は明日の予約確認を済ませ、チケットにステッカーを貼ってもらう。しばらく喋って、三人に別れを告げ、空港を後にする。



『ビッグブッダにお経を!』 No.21

IMAGE-DATA  ビッグブッダ寺院へ。あー、腹減った。昼頃、スマイルハウスのレストランでみんなと一緒だったけど、りん☆さんが昼食をとっていないと思ったから、私も食べなかったのだ。きっと観光地だから高いよね、とメニューをみれば、意外に安い。ビーチプライスよりも観光地プライスのほうが低いらしい。遅い昼食。シンハを飲みつつ、りん☆さんの残したぶんまで平らげる。
 寺院へ入ると、りん☆さんが御布施。10バーツを払うと鉢いっぱいのお米が出る。それをベルトコンベアーでクルクルまわる鉢に、オタマですくって入れていく仕組み。簡易托鉢装置といったところか。私もやらせてもらう。
 いよいよビッグブッダにご対面。裸足になって階段を登る。熱い。床がホットプレートみたい。頂上には黄金に輝く大仏がどーんと鎮座。なかなかいい眺め。ぐるっと一周して周囲の風景も楽しむ。と、りん☆さんがお経を唱えているでは! よくわからないが、なんだかすごい。神社じゃないけれど、とりあえず私もこの旅の先々の願をかける。内容は秘密。
 下へ降りると、妙な音楽が流れ、みんな集まっている。覗くと、10バーツ払って一人ずつお祈り。お金を入れると、音楽が奏でられ、上部からシャワーのように水が降り注ぐ。それを浴びながら黄金仏に祈りを捧げる、というものだ。滝に打たれる修行?、……違うかな。二人とも好奇心はそそられるけれど、服が濡れるのでやめる。傍らには水着禁止の看板あり。



『印度象の印象度?』 No.22

IMAGE-DATA  りん☆さんの要望でエレファント・トレッキングへ。看板を探しながらバイクを走らせる。「あれー、ないなぁ。もう行き過ぎてるよね」「ちゃんと見てたけど、看板なかったわよ」 で、引き返したら、あったあった! なんという看板、一方向からしか見えないなんて。
 象に乗ったことがない、という、りん☆さん。楽しみにしているみたい。私はインドでもタイでも日本でも乗ったことがある。でもあれだけアフリカへ訪れてサファリとかもやっているのに、残念ながらアフリカ象には乗ったことがない。しかし、今回乗るのもインド象、タイで乗ってもインド象。
 やぐらへ上って、そこから象に乗り込む。けっこう高いが背中に直接跨がるわけじゃないから簡単。ラクダよりもラクだ。馬やロバならいいけれど、ダチョウに乗るのはかなりコツがいる……? 象使いは頭(首)に跨がり、鉄の爪がついた棒で叩きながら誘導。象のうぶ毛がチクチク痛い。うぶ毛といってもまるで針金。むかし象に乗った記憶がよみがえる。冷静に考えると、こんなところで男女二人して、象に揺られて喜んでいるのは、新婚さんくらいかも。……などなど、象のうえでは、いろんな会話が!?
 道から外れて、ジャングルっぽい山へ入る。木々を掻き分け、奥へ奥へと丘を登る。鬱蒼とした森、その彼方にはサムイの青い海まで望める。思いがけない、いい景色に満足。



『行きすぎて、ビューポイント!』 No.23
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 チャウエンへ向かってバイクを飛ばす。が、気持ち良く走っていると、道を曲がりそこねて、見晴らしの良い崖のうえまで……。パーキングスペースが目に留まる。みんなバイクや車から降りて、景観を楽しんでいる。
 私たちもバイクを停める。なかなかいい眺め。美しく青い海、遠くには傾きかけた日に照らされるチャウエンビーチの全容も拝める。遙か下方の岩場には、釣りに興じる人々、風景を楽しむ観光客。長い階段を降りて、私たちも岩場の景色を堪能する。
 それにしても、アベックが多い。まあ、グループとか同性二人組とかで旅行するのは日本人くらいか。私もとりあえず異性二人だから違和感は少ないかも。



『チャウエンをぶらぶら!』 No.24

 ビューポイントから引き返して、チャウエンへ。とろとろと街なかを進む。さすが、交通量や通行人が多い。そのうえ、道に水をまいているからビチャビチャで走りにくい。
 焼丸さんもここへ来ているはずだから、どこかで会えるかも……。ひととおり街を流してみる。で、中心部まで戻り、バイクを置いて街歩き。りん☆さんが両替。スーパーで買い物をして、土産屋を覗きながら、ぶらぶらと散策。
 ライターをなくしたので、値切って買う。あぶると女性のノーカット裸体が現れるやつ。これだと使ったあとでもお土産になる。まえに韓国の友人にあげたら喜ばれた。入国するとき、税関の人に見られたが、無視された。
 シルクのパンツも散々値切って買う。プーケットでも欲しかったけれど、けっこう高いのでやめた。こっちのほうがもっと安く値切れたし、さらにバーツも下がっているからお得。それでも、バンコクのほうがさらに安いと思われる。「シルクのトランクスって、最近、女性にも人気なのよねー」 そんな、話題も出る。
 りん☆さんは、腰巻きをぱらぱら眺める。これだけいっぱい種類があれば、目移りして選ぶのも大変だろう。



『後ろ髪ひかれつつ空港へ!』 No.25

 ガソリンを入れて6時半、りん☆さんの部屋へ戻ると、すでに焼丸さんがいた。10分くらい喋って、バイクで空港まで送る。夜の運転はけっこう危険だ。真っ暗ななかハイビームで眩しくて何も見えない。路上には砂もあってタイヤがとられ、それもまたよく見えないとくる。
 さて、無事にチェックイン完了。もう焼丸さんともお別れだ。
「いいなぁ、たかさん、居残り組は……。りん☆さんも一緒だしー」
 うーん、後ろ髪ひかれ状態でコサムイを去り難い焼丸さんに、ちゃんと引導を渡してあげないと……。
「じゃあ、焼丸さん、みんなのぶんまでサムイを楽しむからさ。りん☆さんのことは、おれに任せといて!」
「なに言ってんの。帰りの運転、気をつけて……」



『運命の糸なんて!』 No.26
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 空港から宿へ戻り、シャワーを浴びて着替え。しばらくして、りん☆さんを迎えにいく。しかし、バイクは便利だ。あの遠いワールドリゾートに歩いて行く気など、もうしない。
 スマイルハウスのレストランで夕食。みんなもうサムイを去って二人だけ。わいわいと盛り上がったあとだけに、すこし淋しい感じもする。が、りん☆さんと二人っきり、というのは、もっと素敵なことかもしれない。
 ビーチへ張りだした屋外にあるテーブルは、ロウソクの炎で照らされ、なかなかいいムード。そもそもいま私が、ここにいるというのもありえなかったこと。本来ならば、焼丸さんと一緒に去っているはずだ。幾つかの偶然の賜物。PGの予約が目茶苦茶になったせい、いや旅行社が倒産したおかげか。まあ、りん☆さんと赤い糸で結ばれていた、ということにしておこう。



『みんな去ったサムイの夜は?』 No.27

 夕食後、私の部屋へ移動。天候さんの住所を調べて、11時くらいまで酒を飲んでいろいろ話す。ダイビングのとき知ったのだが、寒さに超弱いりん☆さん、でもその手は異様に熱い。私もかなり温かいと言われるほうだけど、比べ物にならない。オリーブちゃんなら、タメはれるかもしれない。りん☆さんの手をホッカイロ代わりにオーロラ見物を同行するのも面白そうだけど、きっと彼女はそんな寒い地域には行かないと思う。
IMAGE-DATA  バイクでりん☆さんの部屋までいく。相変わらずワールドリゾートは遠い。夜風を切って走ると、途中で凍えそうなくらい。
 お喋りをしながら、ベッドに寝ころがって、WTCの人へ絵ハガキを書く。調子にのって、さっき別れたばかりの焼丸さんにも、二人から[愛のダイレクトメッセージ]を……。《いま夜中の11時半過ぎかなぁ、りん☆さんのベッドへ横たわって、このラブラブなハガキを一緒に書いてまーす!》なんて感じで、ペンを滑らせたような気が……?




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