【11月23日(月曜日)3日目】



IMAGE-DATA  朝八時半に起床。一般観光客用の並のレストランで朝食。ひょっとして、これが普通のカップルの行動なのかも……。そろそろ天候さんは、空港でプーケットから飛び立つ準備を終えた頃だろう。
 十時にナガシマさんと落ち合うが、腹痛でホテルを延長して寝ているとのこと。
「ビーチでごろごろできないほどの重症なのか?」と二人で心配。が、そんなこととは関係なく、二人っきりでビーチでのんびり。パラソルの下で、チェアを並べて寝そべる二人。一緒に渚で戯れたり、日焼け止めを塗り合ったりして楽しむ。ようこちゃんは三つ編みにもチャレンジ。彼女のカメラが故障したので、私のカメラでその様子を写してあげる。
 昼食は屋台で注文して、ビーチで食べる。そのあと、ようこちゃんがパラセイリング。初めてとのことで、感激しているみたい。夕方までゆったり、浜辺でナガシマさんを待つがやはり現れず。

IMAGE-DATA  宿へと戻り、シャワーを浴びる。J&Rでようこちゃんの明朝の空港へのピックアップと私のダイビングを予約。去年、今年と、私がナガシマさんと見た夕日の話を聞いて、ぜひ見てみたいと言うようこちゃん。街歩きをして時間を潰してから、彼女を連れてビーチへ。二人でずっと夕焼けを眺める。写真を撮り合っていると、別のカップルが「一緒に撮りましょうか?」と声をかける。もちろん、断る理由はない。ツーショットでらぶらぶに納まる。
IMAGE-DATA  夕食は庶民的な食堂で、四品注文して一緒につまむ。いろいろ経験してみたいというようこちゃんの要望もあって、なるべく未体験のことを試させてあげたい。今日一日、食事だけでも、観光客レストラン、屋台、庶民の食堂、といったバリエーション。そんなわけで、パトンの街でまだ歩いていない地区もぶらぶら巡る。
 街が盛り上がりはじめるまで、スーパーマーケットで買い物。ドリンクや義理土産のチョコなんかを買う。ここは宿のすぐ側で夜中の二時まで開いているからとても便利。土産屋で、私のパンツと彼女のスカーフを一緒に見繕って値切る。二つで600バーツが270バーツに……。
 ピンクバー(オープンバー)なども巡って、その店の仕組み、赤と黒のメダルを四つ並べるゲームや釘叩きゲームとかを説明。彼女も混ざって、店のコや観光客と一緒に釘打ちをする。相手は手慣れたもので完敗。

 夜の街が活気づくのを待ってから、ついにようこちゃん初体験のショーバーへ。ショーバーとは、美女が踊る単なるゴーゴーバーではなく、女性がその身体的特性を活かした技を、ショーとして披露したりもするバー。一昨日の夜、あきこちゃんがかなりの興味を示し、「たかさん、二人で一緒に行きましょう!」とまでのたまったところだ。ようこちゃんもそれなりに興味を引かれたらしく、二人で入ることに決める。

 ぶらぶら歩いてショーバーを四軒ほどピックアップ。どこにしようか?、と彼女に尋ねる。が、わからないようなので、私がまだ行ったことのない店へ適当に入る。なかはゴーゴーバーとそれほど変わらず、下着姿の女性たちがステージで踊っている。女性たちの美貌はゴーゴーバーよりも劣る。でも、ここはショーがウリなので、そんなにこだわらないのだろう。
 ショーがはじまると、入り口の暗幕を閉じる。「リボン」や「ロープ」、「ロウソク」などの芸を次々と披露する。しかし、ここで再びダンスタイム。店ではダンスタイムとショータイムを交互に行う。ダンスタイムが長いから、そのあいだはけっこう暇。一人ならば、ぼーっとダンスを眺めるか、いい女性がいれば一緒にお喋りするかだろう。一緒に喋る店のコには、ドリンクを注文してあげるのが普通。でも、気の合う女のコだとドリンクなしで付き合ってくれたりもする。客のドリンクが80バーツ前後で、店のコのドリンクが100バーツってのが相場。これはオカマバーでもゴーゴーバーでもショーバーでも同じ。女性を連れ出すなら、店に対して300から500バーツ。女性に渡すお金は交渉次第。総じて、いい店のほうが料金は高く、可愛いコも多いようだが、そんなには変わらない。クレジットカードまで使えるところが凄い。早い時間だと客や女のコが少なくてやや盛り上がりに欠けるが、サービスタイムでドリンクが50バーツだったりもする。
 今回私は女性連れなので、ようこちゃんとお喋りしながらダンスを眺める。そんなこんなで、店のコはあまり寄ってこない。あしらう必要がないから楽だけど、ちょっと淋しい感じもする。

 ショーに見入る彼女は平静を装っているが、やはり頭に描くのと現実に目の当たりにするのとでは、かなり印象も違うのだろう。でも、陰湿な暗い雰囲気でもなく、飄々とショーを演じるので、女性が見てもそれほど苦痛ではないのかもしれない。
 客のなかには女性を買うのを目的で来る人もいる。そんな人のリアクションを見るだけでも、それはそれで楽しめる。サッと覗いてパッと連れて帰る男を見て、あの人凄いねぇ、と二人で囁く。交渉する時間すらないのでは……。
 三回ほどショータイムを観賞。が、ようこちゃんご要望の「カメ」なる技が出てこない。「カメ」というのは、私が彼女に話した芸のなかで、一番興味を持った技。内容は書かないが、「カメ八匹」なんて技には、けっこう驚かされる。あと興味を持ったのが「吹き矢」。この技の射程距離と正確さは脱帽ものだ。
 そんなわけで、まだ見ぬ「カメ」を求めて、べつのショーバーへ移ることに決める。それにしても、彼女もなかなかの強者。まあWTC初参加にして、私に付いてくるのだから当然か。自称するだけあって、タフだし好奇心も旺盛だ。

 ショーバーの連続はしご。かなり粘るが、なかなか「カメ」にはお目にかかれない。でも、ここでは私も初めての「針」や「炎」なる技を拝見。午前零時をまわったところで店を出る。屋台でつまみを買ってから宿へ。惜しい心残り。ようこちゃんの胸には、女性芸「カメ」が伝説の技として刻まれたことだろう。
 シャワーを浴びて、明朝帰国する彼女は荷造りをする。これが彼女と二人っきりの最後の夜。スーパーで買ってきたメコンウィスキーを片手に、夜中の二時半過ぎまでうだうだ喋って過ごす。




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