【オーストラリア旅行報告2(観光1/ノーザン・テリトリー)】

※私が訪れた国立公園や観光地のうち主な場所だけを抜粋してその印象や感想を紹介。(但し、都市や街の観光や感想は除く)
 ★:国立公園  ●:その他


【ノーザン・テリトリー】

《トップ・エンド》

●アデレード・リバー
 この河のクルーズはジャンピング・クロコダイルで有名。肉を狙って高く飛びつくワニは迫力もの。一見の価値あり。肉を空からさらっていくシー・イーグルにもお目にかかれる。

●フォッグ・ダム
 壮大な湿原地帯。様々な野鳥や水鳥を観ることができる。車でさっと観光するだけの人も多いが、森や湿原のなかを通るウォーキングルートを歩くことを薦める。赤、白、薄紫、ピンクの美しい睡蓮、独特の花や木、茸などの植物。チョウ、トンボ、クモ、カエル、コウモリ、トカゲなどの動物にも会える。ワニもいる。

★カカドゥ国立公園
 とにかく広大な国立公園。見どころが多すぎて網羅できないが、鬱蒼と生い茂る緑、渓谷や滝、巨大な岩山など、その景観はじつに素晴らしい。アクセスはバスのほうが快適かもしれないが、4WDでないと行けない場所も多いので、ツアーを選ぶときには考慮したほうが良い。
 森と湿原を進むイエロー・ウォーター・クルーズでは珍しい水鳥やワニ、ノーランジー・ロックほか数カ所にはアボリジニの岩絵、圧倒されるいくつもの滝。森やブッシュを抜けて歩けば、いろんな大自然に巡り合え、素晴らしい感動が味わえる。1メートル以上の巨大トカゲ、エリマキトカゲほか、様々な動植物にも出会うことができる。

★リッチフィールド国立公園
 薄い石板を積み重ねたような岩群からなるロスト・シティの奇景も眼を見張るものがあるが、ここの醍醐味は数々の滝の景観だろう。カカドゥほど歩かなくてもいいので手軽にその良さが味わえる。
 トルマー・フォールズ、ワンギ・フォールズ、フローレンス・フォールズなど、簡単にアクセス可能な場所に多くの滝が隣接している。その景観を堪能するとともに、渓流や滝壺で泳いで遊ぶ。この地域はとにかく暑いので滝で泳げば生き返った気分になる(カカドゥも同様)。個人的には滝の上から眺めて、滝壺へと降りていくフローレンス・フォールズが、滝登りや滝浴びなど最も楽しめた。水飛沫や水流が凄いのでゴーグルを持参したほうが活動範囲も広がると思う。
 この辺りでは巨大な蟻塚をそこらじゅうに見かけるが、この国立公園内にある黒ずんだ大きく平らな板のようなマグネティック・ターマイト・マウンズは特有で珍しい。板状の蟻塚が墓標のようにすべて同一方向に向いている。

★ニトミルク国立公園(キャサリン渓谷)
 キャサリン河が刻んだ大渓谷。両側は高さ百メートル以上の断崖絶壁に囲まれている。渓谷クルーズでは、徒歩の移動もあって、船を乗り継ぎながら奥へと進む。川幅も狭まり、切り立った崖が眼前に迫る。ハングアップした岩壁、岩の下から上へと生える木、渓谷に落ちる滝、直角に曲がる河と断崖……、壮観で迫力ある風景だ。渓谷を登るウォーキングルートもあって眺めは抜群。カヌーも楽しめるがワニがいるため遊泳禁止らしい。


《レッド・センター》

●キングス・キャニオン
 当初はよく知らなかったが、訪れた人たちが口々に絶賛するので改めて行程に加えた。300メートルもの切り立った岩肌、滝の光景、浸食されたドーム岩、期待以上の景観だ。様々な植物や爬虫類にもお目にかかれる。入り口付近から谷を歩く1.5キロのショートコース(約1時間)だけではなく、峡谷を登って周遊する6キロ強のコース(滝遊びを含めて約4時間)が絶対にお薦め。

★カタジュタ国立公園(ザ・オルガズ)
 36個もの巨大な奇岩群。スケールはエアーズロック以上だ。観る方角によって異なる姿を味わえる遠景もさることながら、「風の谷」の雄大な景観は最高。時間のない観光客は入り口から2キロだけを歩く人も多いが、奥のほうまで周遊する7キロのトレッキングコース(約4時間)が断然素晴らしい。巨岩の深い谷から広がる光景は感動ものだ。
 この一帯は蠅が凄くて網付き帽子で防御する欧米婦人の姿も目につく。蠅の群がりようはインドの比ではない。食べ物にたかるのではなく、体にまとわりつくから困りもの。観光地の入り口や駐車場付近にうんざりするほどいるが、奥のほうを歩くぶんにはあまりいなかった。なお、デザートフライという刺す蠅もいるので要注意。乾燥地帯中心に広く分布し、刺されると猛烈に痛いらしい。

★ウルル国立公園(エアーズ・ロック)
 アボリジニの聖地、七色に変化するといわれる巨大な一枚岩。初めて遠景を眼にしたとき呆然と見入ってしまう。岩肌が紅く燃え上がるサンセット、サンライズの光景は圧巻だ。
 約1時間半の登頂、出だし3分の1の登りはきつく、そのあと強風に煽られながらクレーターのようにでこぼこした軽い登りを進む。360度の眺望、爽快な気分だ。登頂は明るいうちにしかできない。雨が降ったり(滑る)、強風(飛ばされる)でも登れない。私が訪れた数日前は登れなかったそうだ。下が無風状態でも上は体が飛ばされそうなくらいの強風。もし下が強風ならば上は想像を絶するかもしれない。せっかく急な登りをクリアしたのに風の強さに負けて頂上まで行かずに引き返す女性にも何人か出会った。
 約9キロの周遊ウォーク(3時間強)。波形にオーバーハングした岩肌、洞窟、滝の跡、アボリジニの岩絵などが堪能できた。



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