ベネズエラ


『親切な美女』


 深夜一時過ぎ、ふらふらとバーをあとに。
 変なオヤジが「ポリス」だと近寄ってくる。そんな浮浪者みたいな警官がいるはずないだろ! ボディチェックまでしようとする。とんでもない奴だ。
 金髪の女性が近づいてスペイン語で話しかける。すげー美人! キョトンとしていると、「スペイン語できないの? 旅行者?」と英語に切り換える。
「この辺りはとても危険だから、すぐにホテルへ戻って!」
 特別な目的もないので、危険を冒す必要はない。宿へと急ぐ。商売女性かと思ったけれど、身なりや雰囲気からして違うらしい。親切な人だけど、彼女は一体なにをしていたのだろう。

  南米小話(完)



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