【10月25日(日)/2日目 晴れ】



6.朝で〜す

 朝は7:00に起床、したのはSEA GULLさん、あきこさん、私ナガシマの3人。早起き組みは朝風呂を浴びに抜き足差し足で出て行く。やっぱり温泉に来たんだから最低でも朝晩の2回は入らないと元が取れない、って貧乏な性格な私。本格的な起床は8:00で清美さんとMASARUさんも起き出してきた。朝食は昨日の残り(巻鮨、豚汁、サラダ、他たくさん)。かなりの量が残っていたのに皆でペロリと平らげてしまった。この辺のパワーが世界を旅行するWTCメンバーの強さなのだろうか?
 チェックアウトは10:00。時計を睨みながら本日のお弁当作りに取りかかる。基本はサンドイッチでおかずを数品(鶏唐揚、卵焼、いんげんベーコン巻き、等々)、凄くゴージャスっす。ハイキング組みのみならず先に帰宅するMASARUさん用にも、電車の中で食べてねウフッと別に弁当箱を用意している。この気配りは流石だね、あきこさん。一方でまたもや料理中にウロウロしている私ナガシマ。こういう時は芸のないやつは本当に役立たずだね。いんげんをベーコンで巻くぐらいしかお手伝いできなかったもの。ゴメンなさい。豪勢なお弁当作りには流石に時間を要した。チェックアウトの時間が迫り、最後は何だか料理の鉄人の気分。「福井さん!鉄人は〆に卵を焼き始めましたが、時間はまだ大丈夫でしょうか?」という実況アナウンサーの声が聞こえそうに緊迫した雰囲気でした。



7.金太郎の住む金時山:前編

 ケーブルカー&箱根登山鉄道で箱根湯本駅まで降りると、MASARUさんとはここでお別れ。次週の上海行きの用意が整っていないため、どうしてもMASARUさんは帰らなければならない。色仕掛けの引き止め工作も、僕が参加しなかったからか成功せず。MASARUさんは名残惜しそうにもロマンスカーに乗り込んでいった。
 箱根湯元駅前から出発するバスで目指すは金時山。♪ま〜さかり、か〜ついだ、き〜んたろお♪♪ く〜まにまたがり、おんまのけいこ♪ で有名な金太郎伝説のある山だ。バスは箱根駅から仙石原まで約30分。いろは坂を思わせるグネグネ山道を進んでいった。
「自然を馬鹿にしちゃなんねぇ、山さナメちゃなんねぇだ」との爺様の言いつけを守るため、あらかじめ箱根湯本駅で水とチョコを購入して準備を整えてきた一行であったが、登山口に近いバス停で降りてみると、なと目の前にコンビニがある。さらにその先にも1軒コンビニがあり、金時山のまん前まで都会が迫っていた。時代の流れなのだろう。♪さ〜ぞや、金太郎さん、まぶしか〜ろ、アラヨイヨイ♪ 現代っ子の僕達はその中の一つのコンビニで早くも小休止。これからの登頂を前に抹茶ソフトクリームに舌鼓を打つのであった。



8.金太郎の住む金時山:中編

 抹茶ソフトクリームをなめながら国道沿いをさらに20分程歩くと乙女口にたどり着く。まず目指すのは乙女峠。ここからの富士山の眺めは絶景だそうだ。人工的に造られた階段状の登山道をえっちらおっちら進む。結構な勾配ながら単調な登りが延々と続く。うー、しんどい、これが噂のSEA GULLさんがハイキング呼ばわりする実質登山なのか! ここのところの雨の影響で道がぬかるみ足元が安定しない。まして自分のペースで登ることができない階段状態。みんなのペースがスローになり口数も自然と少なくなる、と思ったら皆は元気、元気。聞いてみると先頭を歩く元気な清美さんは元陸上部。すぐに人を抜きたがるSEA GULLさんは意外に放送研究会だったが、あきこさんは体育会系琴部だったそうだ。しかし皆元気だなー。一人口数少なくゼェーゼェー言っている私ナガシマが、実は大学では泣く子も黙る武道系体育会だったってのが信じられない。
 ようやく乙女峠に着いた。金時山の頂上までの行程の1/3程度が過ぎたことになる。私が泣きを入れて一服休憩。ヒヤーしんどいしんどい。でも峠の茶屋の爺さんが生意気にもビデオ撮影している客に「撮影するな」と文句を言ってるので非常に感じが悪い。すぐに金時娘の待つ金時山頂の茶屋に向かうことにする。途中50人以上の団体さんをやり過ごす。「こんにちは、こんにちは」と連続して挨拶を交わし続けることも大変だったが、皆に「お先にどうぞ!」と道を譲られて50人を早足で登り続けるのはもっと大変だった。相変わらずの単調な上り坂をえっちらおっちら進み、昼過ぎに金時山の山頂にたどり着いた。



9.金太郎の住む金時山:後編

 頂上からの眺めは最高だった。ここまでの苦労にお釣がくるほどの価値がある。一方で富士山の勇姿、もう一方に駿河湾の遠景。いやはや美しい眺めであった。先に休憩していた外人さんご一行も満足そうな笑顔を浮かべていた。
 さてお楽しみのお弁当! うまいうまいうまいうまいうまいうめぇー。朝から皆で苦労して作ったゴージャス弁当だ。山登りの疲れ&空腹が絶妙な隠し味となったのも事実ではあるが、本当に、実に、旨かった。ここであきこさんから次回の提案があった。次回のハイキングではバーナー(コンロ?)を持参してダバダーとコーヒーを沸かせましょうとのこと。頂上でのお弁当をより楽しくおいしく過ごせる案なので、皆「なるほどなるほど、そりゃいいそりゃいい」と激しく賛成するのであった。でも立山では荷物が多くなるので見送りとなったが。
 下山前に記念撮影をしたが、頂上には記念撮影用「金太郎の鉞(マサカリ)」が置いてあった。大抵の人は鉞を杖代わりに持ってニッコリポーズを取っていたが、あきこさんだけは「鉞かついだ金太郎ポーズ」を取ってエッヘンポーズを取っていた。しかし実に似合うんだこれが。残念ながら「丸金印の前掛け一枚でスッポンポン姿になって!」という周囲の熱い期待は却下された。
 下山道も相変わらずそこそこ急で単調な下り坂が続いた。それに道がぬかるみツルツルとすべるのも登りと一緒だった。と言うわけで私も一回尻餅を着いてしまった。はずかしいなー。



10.温泉に浸かろう

 仙石原に下山して少々国道を歩くと、箱根湯本駅行きバス停にたどりついた。またも目の前にコンビニがあり、あきこさんが「タイヤキアイス」を買ってきた。知る人ぞ知るこのアイス、たいやきを凍らせてアイスにしたという手の凝ったものではなく、ただのたいやき型アイスモナカなのだが、実は私ナガシマの横顔にそっくりなのである。登山の心地よい疲労の中、共食いに励むのもまたなかなか乙であった。
 20分程度待つとバスが来た。バスに乗り込みしばらくすると皆が爆睡。ふと目を覚まして時計を見ると、乗車からゆうに1時間は経過している。確か行きは約30程度のハズだったがおかしいーなと思い、車外を見ると国道は超大渋滞。ノロノロとしか動いていないではないか。あまりの渋滞ぶりについには箱根湯本駅近くのバス停で降り、残りはテクテク歩くことにした。
 駅で帰りのロマンスカーを再予約する。結構空席があるようなので、少々遅めの便にして最後に温泉に浸かるのはいかが?、とSEA GULLさんからの緊急提案があった。駅員さんに相談して、線路を挟んで駅頭上にある「かっぱ天国」を紹介してもらった。その怪しいネーミングに、もしかしたら男性天国ではないのかと、ウハウハと一人期待していたが、そんなことはなく駅前には不釣合いな鄙びた野天風呂であった。



11.さぁ帰ろう

「かっぱ天国」には3つの湯船があり広さは十分であるが、洗い場に水・湯の蛇口が見当たらない。脱衣所もちょっと古臭い。ん〜数十年前からずーっと変わらないのではないか? 駅前の好立地条件に踏ん反り返る経営者の怠慢が感じられ、少々腹立たしくなった。しかしふと耳を澄ますと何やら外国語が聞こえてくる。よ〜く見ると日本人は僕とSEA GULLさんだけ。白人、中国人、韓国人と、ずいぶんインターナショナルな湯であった。確かにこのありさまではガイドブックなどにお勧めの温泉などと薦められる訳もなく、我々以外の普通の日本人はもっと満足度の高い温泉に浸かっているのだろう。もしかしたらここは日本を旅行する外人バックパッカーの秘湯なのかもしれない、などと妄想を膨らませてたら、身体もぽかぽかになり非常に幸せになってきた。お風呂は良いね、お陰で生き返ったよ。
 最終の一本手前のロマンスカーに乗る。疲れで爆睡するかと思ったが、終点の新宿までワイワイキャーキャー大騒ぎだった。何を話したか今思い出すことが全くできないので、きっとくだらない話だったのだろう。新宿駅で解散して無事に帰宅した。幹事のSEA GULLさん、大変楽しいミニ旅行、ありがとうございました。



 WTC秋の箱根強羅旅日記 おわり


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