【サバン&パサイ旅行概況】  2008年3月19日(水)から23日(日)の飛石連休を含めた5日間の日 程にて約1年ぶりのフィリピンへ訪れた。  今回の旅行ではミンドロ島のプエルトガレラにあるサバンビーチを約2年ぶり に再訪。空港から電話して無事にパサイの友達とも会えたし、サバンではダイビ ングやシュノーケリングなどを満喫。全日程とも晴天に恵まれて、とても良い旅 となった。  当初は6日間の日程でボホール島を訪れる予定でいたが、多忙のため1日間の 日程短縮を余儀なくされた結果、5日間にてサバンを再訪してのんびり過ごすこ とにした。元々の短期日程がさらに削減の憂き目に遇ってしまったが、旅行断念 とも思えたなか、なんとか旅立つことができた。  いつもの如くぎりぎりまで仕事をこなしたのち、職場から成田空港へと直行。 今年は1月の三連休絡み、2月の三連休絡みと、連続して連休絡みの海外旅行が 不発に終わっているだけに、思惑通りとはならなかったものの、この3月の飛石 連休絡みで海外へ出かけられてほっとした。  航空券はノースウエスト航空(NW)の特典航空券、マニラ往復をNWの2万 マイルにて発券した。NWの無料券は昨今旅行者を苦しめている高額なサーチャ ージが不要、フィリピンの空港税も現地払いなので、航空券にかかった費用は成 田空港税の2040円のみで助かった。  為替レートは、1ペソ=約2.3円、1ドル=約99円。マニラの国際線空港 税が750ペソ。  マニラ〜バタンガスのエアコンバスは約3時間で146ペソ、バタンガス〜サ バンの直行ボートが約1時間半で200ペソと、2年前に訪れたときよりも値上 がりしていた。  サバンの宿(一応リゾート)は、いまのベストシーズンの時期だと日陰ならば けっこう快適に過ごせる気候なのでFAN部屋にしたが、シャワー&トイレ、N HKが見られるTV、クローゼット、バルコニーのソファーやチェアーも整って いて一泊500ペソ。ダイビング代も器材込みの1ボートダイブが1000ペソ (25ドル)で、これらは2年前とほぼ変わっていない状況だった。  前回のフィリピン旅行ではペソを余らせてしまっており、到着後と出発前のマ ニラでの2泊もパサイの友人宅にて眠ったため、この旅行では空港のATMでキ ャッシングせずに新たな出費が無くて済んだ。  前回のフィリピン旅行で知り合った友人(空港から歩いて5分くらいのパサイ の下町に在住)には、出発前にEメールを送ったがエラーとなって全く連絡が取 れず、再会できることはあまり考えないでそのまま旅立った。が、空港に着いて ダメもとで電話してみるとうまく繋がって、深夜1時近くなのに空港まで迎えに 来てくれた。  そのまま友人宅にて仮眠をとって、早朝4時にサバンへと向けて出発。友人も ちょうどホリデーとのことで一緒にサバンにて楽しむこととなった。前回の旅行 では泊めてもらったにも関わらず、時間がなくてなんのお礼もできなかったし、 今回も出発までに連絡が取れなかったため土産すら持ってこなかった。けれども 今回はサバンのホテルの負担はもちろん(一名でも二名でも同額)、多少の食事 とかも振る舞ってあげられた。前回なにもできないまま帰国してやや心苦しさが あったものの、これで少しはお礼ができたというか、今回も2泊させてもらった うえ、夕食の都合などいろいろとお世話をしてもらったから、あまりお礼にはな っていないかもしれない。  それでも友人はサバンに行けたことを凄く喜んでくれた。「もしサバンへ行き たいなら、一緒に行きたいなら、歓迎だから行こうよ。ホテルはおれの部屋に泊 まればいいから……」と誘ったら、とても喜んでくれた。いくらわたしが日本で 普通に考えればかなりの低費用(約5千円)でサバンへ旅行するにしても、友人 の月収は8000ペソ(約1万8千円)にも満たないため(これでも決して悪い サラリーではないらしい)、安リゾートと言えどもそうたやすく行けるものでは ないそうだ。  言葉も満足に通じないし、何度も会ったわけではない。たぶんお互いに警戒心 もあっただろう。わたしに一抹の不安すらなかったと言えば嘘になるが、しかし これが出会いであり旅でもある。  サバンでは、ダイビングをしたり、シュノーケリングや日光欲を満喫していた が、友人のほうは部屋でのんびりくつろいだり、泳げないためか浅瀬の海で遊ん だり、綺麗な貝殻や珊瑚なんかを土産に集めていた。そんなこんなで、部屋で過 ごした以外はけっこう別々に楽しんで、一緒だったのは、着いてすぐにサバンを 案内してあげたのと、2度ほど二人で海へ入ったのと(といっても、こっちはシ ュノーケリング、あっちは浅瀬で遊んでいた)、食事のときくらいだった。  とはいうものの、友人がサバンへの道中や現地にていろんなフィリピン人や旅 行者といっぱい喋って仲良くなったりしていたので、わたしもいつもの旅行より いろんな人たちと知り合えて面白い時間を過ごすことができた。イギリス人とフ ィリピン人の夫婦とも友達になって、奥さんの手料理をご馳走になったり、4人 でビッグラグーナまで遠征してシュノーケリングを楽しんだりもできた。  帰国前日の夕方には友人宅へと帰還。友人はわたしの面倒を別の友人に頼んで から、急いで仕事へ出かけた。その友人や家族も前回の旅行でいろいろとお世話 になった友達。旦那とは一緒に子供を公園へ連れて行って遊び、奥さんとは夕食 の材料に小さな市場へ買い出しに行って魚の名前とかも教わる。そして夜はみん なでBBQ(炭火焼き)の準備をして夕食をご馳走になった。  近所の人が大勢集まって(女性というかおばさんが多い)カラオケで盛り上が る。1曲5ペソ。みんな歌が上手い。歌うのが苦手なわたしは側で見ていただけ だが、点数が出たり踊ったりとけっこう面白い。まわりの人がみんなして話しか けてくるためちょっとうるさいが、それも含めてなかなか楽しめた。男性はビリ ヤードに興じる人が多い。  友人たちはすぐに自分の家族や友達をたくさん紹介する。親や祖親、兄弟だけ でも何人もいるのに、それぞれの子供たちとか、叔父や叔母まで親戚一同。みん な近所に住んでいるため、紹介に連れまわされたりする。知り合いが店をやって いれば、客人になにか振る舞ってくれたりもする。紹介された友達がまた自分の 友達や家族を紹介するのでけっこう大変。前回もそうだったが、半日も過ごせば 小さな下町の半分は知り合いになってしまうのではないかと思えるくらい。街を ぶらぶらしていると気軽に挨拶されるが、そんな大勢の人たちをとても覚えきれ るものではない。「どこどこでだれだれに紹介された……」と説明されてもやは り全ては思い出せない。  勝手に女性を紹介されたりもして(商売ではなく彼女や恋人に)、あまり興味 本位で関わるのは良くないとは思いつつも、面白いからけっこういろいろと聞い てしまう。もし真面目にフィリピナの恋人や花嫁が欲しいならば、ちゃんと紹介 してもらえば、知り合いの知り合いの知り合いってな具合で、すぐに良い女性が 見つかるような気がする。  下町の物価は安くてぼられることもない。瓶コーラ6ペソ、瓶ビール18ペソ、 食事15ペソ。リゾートのサバンに比べるのもおかしな話だが全く違う。雑然と していて慣れない人だと危険にも感じられるかもしれないが、庶民が雑多に暮ら す街はマニラの都心部に比べると遥かに安全。早朝から深夜まで店が出ていて人 の姿も多い。ほとんどが顔見知りのようなものだから、現在の日本と違って危な いやつがいればきっとすぐにわかるだろう。  夜9時過ぎに友人が迎えにきて自分の部屋へ連れていく。といっても、友人は すぐに仕事へと戻り、案内したのは友人の娘。何度か行っているので一人でも問 題なく行けるが、暗くて足元が危ない、などと世話をやかれながら案内される。 シャワーや設備の説明もしてくれるが、それらも既に承知。でも、TVのリモコ ンの説明をしたあと、さっとNHKに合わせてリモコンを手渡してくれたのは気 が利いているかも。  シャワーを浴びてTVを見ながらいつのまにか眠ってしまったが、友人は深夜 2時頃に帰ってきたようだ。前回と同様、翌早朝のフライトに合わせて起こして くれ、わざわざ空港まで見送ってくれた。  つぎはいつくる? また遊びにきて! こんどいい場所へ連れてってあげる! 等など、友人たちから口々に言われるが、行きたい国は他にも目白押しで、そう そうフィリピンへ来るわけにはいかない。たとえフィリピンへ来たにしても行き たい場所は別にあるので、短期旅行でマニラに長居するわけにもいかない。旅行 者のジレンマだろうか。  今回は不本意ながらボホール行きを断念してサバンへ再訪することにしたせい で、わりと多くの時間を費やすこともできた。が、当初の予定通りだったなら、 前回同様、到着時と出発時の僅かな時間しか過ごせず、また泊めてもらうだけの 結末になってしまっただろう。  幸い現在は破格のサーチャージを避けたうえでの無料券にて、物価が安くて海 が綺麗な南国を目指すにはフィリピンが最適なため、訪問する機会はそれなりに あると思われる。それでもここへは少しの時間だけ寄れるに過ぎない。  友人たちが良いと話している旅行者の知らないビーチ、友人たちが生まれ育っ た島や田舎、連れていって案内してあげると熱心に誘われてもいる。この機会に そういった見知らぬ場所を訪れてみるのもまた旅かもしれない。                      サバン&パサイ旅行概況 おわり